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マルチケーブルって何?
マルチケーブルとは、複数の音声信号を1本にまとめて送るためのケーブルです。通常のXLRケーブルは1本で1系統の信号を送りますが、2chマルチケーブルの場合は、1本のケーブルの中に2系統分の信号線が入っています。
複数のマイクや機材を接続するときにケーブルをまとめて引き回せるため、配線をすっきりさせることができます。
今回は2chですが、用途に応じて16chとかも作れるみたいです。
動機
マルチケーブルって市販かつブランドプラグなどを使ったものは高いのです...そこで自作してみよう!
チャンネルの色について
マルチケーブルを運用するにあたってまず当たる壁はチャンネルごとの識別です。
チャンネルごとの色割り当てについては、明確な世界共通規格があるわけではないようです。そのため、実際には自分たちが識別しやすいルールで決めることになります。とはいえ、せっかく作るならプロ仕様で統一したいですよね
そこでメーカーが出している「ブランドマルチケーブル」について調べてみたところ抵抗器カラーコードに準拠するという方法があるらしいです。
ちなみに抵抗器カラーコードを採用している会社には大手オーディオケーブルメーカーのCANAREや2534で有名なMOGAMIがあるようです。

抵抗器のカラーコードに準拠すると以下の表のようになるようです。今回は2chマルチXLRケーブルなので、1chを茶色2chを赤で作っていこうと思います。

必要な材料と道具
材料
XLRの端子部分オス・メス と識別用カラーブッシング
高級端子から格安端子までありますが、メンテナンス性の高さや、差し込んだ時の安定性、そして何より見た目のかっこよさなどの理由からNEUTRIKを採用しております
プラグはそれぞれ2組ずつで計4つ、色識別用カラーブッシングは4つ
| URL | 価格 | 詳細 | |
| NEUTRIK/ NC3FXX | https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/56099/ | 480 | XLRメス |
| NEUTRIK / NC3MXX | https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/56124/ | 420 | XLRオス |
| NEUTRIK / BXX2 | https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/56017/ | 120 | NEUTRIKのカラーブッシング |
ケーブル
MOGAMIの2930にしようか迷いましたが、価格が300円/mくらい違ったのでCANAREのMR202-2ATを採用しました。
(リンク先は50Mになっていますが、実際は秋葉原のTOMOKA proshopで切り売りしてもらったので2mだけ買いました..)
| URL | 価格 | 詳細 | |
| CANARE MR202-2AT | https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/23372/ | 450円くらい | 2芯シールドマルチケーブル |
その他
先ばらした部分のケーブルがすごく細いので、それを保護するように透明チューブ、先バラの根元の強度を上げるために熱収縮チューブを使います。
| URL | 価格 | 詳細 | |
| 透明チューブ | 150円くらい | 先バラのケーブル保護用 | |
| 熱収縮チューブ | 150円くらいだった気がする | 直径8mm |
道具
その他あんまり消耗しないものたちです
| もの | 用途 |
| 電工ナイフ(の代わりの小刀) | 太いケーブルを剥くのにワイヤーストリッパー使えないので小刀を使いました(電工ナイフホシィ) |
| ワイヤーストリッパー | 皮膜剥がしにとても便利 |
| ハンダゴテ | 太陽電気の3000円くらいのやつ使ってます |
| ハンダ | https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/299442/ 音響用はんだを使ってます。とても作業しやすかったのでオススメ |
制作
実のところ、ここからは難しいことはそんなにありません。
使用する距離に合わせて2chマルチケーブルをカットします。両端でXLRを2本ずつに分岐させるため、端末処理分の長さも考慮して少し余裕を持たせます。
今回は先バラを20cm 全体の長さを200cmで作りました。
ケーブル端の外被を剥き、内部の1ch用ケーブルと2ch用ケーブルを取り出します。内部の絶縁体やシールドを傷つけないよう、浅く切れ込みを入れて慎重に作業します。
内部の2系統を確認し、1ch用と2ch用に分けます。あとで配線ミスをしないよう、チャンネルごとに色、番号、ラベルなどで識別できる状態にしておきます。外被を剥いた部分から1chと2chを自然に分岐させます。分岐部分には熱収縮チューブや保護チューブを通し、引っ張りや曲げに弱くならないよう補強します。
XLR端子のカバー、ブーツ、チャック、熱収縮チューブなどを、はんだ付け前にケーブルへ通しておきます。はんだ付け後には通せない部品があるため、作業前に確認します。
1ch、2chそれぞれで、HOT、COLD、シールドを確認します。芯線の先端を適切な長さに剥き、シールドはほつれないようにまとめます。大体3cmくらい剥きましょう。
XLRは基本的に、1番ピンがシールド、2番ピンがHOT、3番ピンがCOLDです。1ch、2chともに、オス側とメス側で同じピン番号同士がつながるように配線します。
剥いた芯線とシールド線の先端に軽く予備はんだをします。予備はんだをしておくことで、XLR端子へのはんだ付けがしやすくなり、作業中のほつれも防げます。
1ch/2chのケーブルをXLR端子にはんだ付けします。1番ピンにシールド、2番ピンにHOT、3番ピンにCOLDを接続します。オス側とメス側でピン番号が入れ替わらないよう注意します。

2chのケーブルも同じようにXLR端子へはんだ付けします。1chと2chが入れ替わらないように、内線の色を確認しながら作業します。
はんだ付けが終わったら、XLR端子のクランプやブーツを固定します。分岐部分には熱収縮チューブを収縮させ、ケーブルに力が加わってもはんだ部分へ直接負荷がかからないようにします。
テスターで1chの1番同士、2番同士、3番同士が正しく導通しているか確認します。次に2chも同じように確認します。さらに、各ピン間のショートや1chと2chの混線がないかも確認します。
これをきちんと行わないと、ノイズが乗る原因になります。
両端のXLRに1ch、2chのラベルを付けます。オス側とメス側で同じ番号になるように表示しておくと、接続時のミスを防ぎやすくなります。
導通チェック後、ミキサーやオーディオインターフェースなどに接続して音声が正しく通るか確認します。ファンタム電源を使う場合は、配線ミスやショートがないことを確認してから使用します。
完成
最近購入したXR18につないでみました。ミキサーからパワーアンプにつなぐ際のXLRケーブルが2本→1本になったので配線がすっきりしました!





